• 浜中町

新しい中にも古くからのやり方を守ることも大事です。

FARMERS' QUOTE

酪農家の言葉

自分の中で満足は見えてこないんです。たぶん経営者ってそうなんだと思います。満足したら終わっちゃうから。

穴吹牧場代表

穴吹 卓也

1979年、浜中町の酪農一家に生まれる。農家以外にもいろんな世界が見たいと様々な職種を経験する。同じ酪農の家庭で育った仲間たちが農業を継ぎ、頑張っている姿に刺激を受けご自身も実家に戻り酪農の道に進むことを決意。最初はあまり好きになれなかった世界だったが、今では『酪農あっての自分』と胸を張って言えるほど農業という仕事に対して熱い思いを抱いている。 飼育頭数約240頭。草地面積約85ヘクタール。

Question.1

穴吹さんが農業をやろうと思ったきっかけを教えてください。

子供の頃から家の仕事を見てきたので農業の大変さは知っていました。農業の他にもいろんなものを見て、いろんなことをやりたかったので様々な仕事を経験しました。飲食店の店長をしていたとき、自分と同じように農家の家庭で育った仲間たちが立派に酪農家として頑張っている姿を見て、自分も頑張ってみようかなと思ったんです。仲間の「農業はいいぞ」という言葉に動かされました。最初は好きではなかった業界ですけど、小さい頃から牛ありきの生活だったからやっぱり癒されるんですよね。だんだん好きになり楽しくなりました。やる気さえあれば結果が出せるというのが酪農のいいところだと思うんですよね。学歴はまったく関係ないです。

少しのきっかけで人生って大きく変わるものなんですよね。

Question.2

搾乳ロボットを導入された経緯を教えてください。

どうせやるなら当時はあまり他がやっていないロボットを導入しようと思ったんです。何せやっている人が少ないから、成功例もあまり聞かなかったので怖さはありました。それでもなぜか「自分にはできる」って思ったんですよね。最初の一年は大変でした。ロボットまかせにしてしまうと牛の状態を見る目が養われなくなる。結果、牛の体調変化に気づけずに何頭も死なせてしまって。試行錯誤をしてやっと落ち着いたのが導入から三年くらい経ったころです。人を雇って気持ち的にも、牛を観察する目にも余裕ができたことが大きかったですね。牛を見て触るなんて古い考えなのかもしれません。しかし、ロボットという新しい試みを取り入れながらも、やっぱり古くから守られているやり方も大事なんですよ。従業員にも牛と触れ合うことに意味があるといつも言っています。

新しいものの中には古いものも無いといけない。今の時代には合わなくても、その中には絶対にいいものがある。それは全否定しないで取り入れないとね。

Question.3

これから酪農を目指す人たちに何かお言葉をいただけますか?

とにかくやる気のある人が一番です。「農業をやってみたいんですよね」と言う声はたくさん聞きますが、そこで終わっちゃう人がすごく多いんです。「やってみたいんです」じゃなくて「やります」と言える人、自分から進んでその場所まで行って掴み取れる人、そういう人が人生を変えられるんだと思います。酪農は決められた乳価で勝負をするので、全員が同じスタートなんです。だから経営者同士がすごく仲がいい。変わった社長同士の集まりというか。近所の牧場の畑を手伝いに行ったりなんて、なかなか他の業種ではないですよね。面白いですよ。

地味な仕事なので、従業員は毎日淡々としてるなと思っているかもしれない。その中でどうやって誇りを持って仕事をしてもらえるかが難しいところです。僕もまだまだ勉強中だから従業員と一緒に育っていくんでしょうね。