• 浜中町

仲間がいるからこそ今の自分がある。

FARMERS' QUOTE

酪農家の言葉

生き物を相手とする仕事は手を加われば手を加えただけ成果として跳ね返ってくるものがある。それが酪農の面白さであり、やりがいだと思います。

目黒牧場代表

目黒敏和

1978年生まれ。茶内出身。中学卒業前の進路指導をきっかけに、後継者としての立場を考え始める。高校・短大と酪農を学び農機会社に就職後、目黒牧場を継ぐ。 飼育頭数:103頭。新しく牛舎を建設予定。

Question.1

ご実家を継ごうとしたきっかけはなんですか?

子供の頃から家業の酪農を見ており、小学校に上がったくらいから家の手伝いをするようになりました。当時は今のように機械化も進んでいないので、本当に大変な仕事でした。土日も関係なく、同級生たちがみんな遊びに行っている時にも自分は家の手伝いなんです。それがすごく嫌だったんですね。だから継ぐどころかやりたくないとも思っていました。 それが高校進学前の進路指導相談のときに、初めて長男だということを意識し、継いでいかなきゃな、と思ったんです。 高校・短大と酪農を学び、卒業後はすぐに後を継ごうと思っていました。しかしまだまだ両親二人で経営はできていたため、父には農家の実習か就職を促され、今の酪農仲間の勧めもあって農機会社に4年間勤務しました。農家さんがお客さまとなるので、そこで様々な酪農のやり方を見ることができたのは本当に良かったです。短大を卒業してそのまま実家での仕事を始めていては、そこでのやり方しか見ることが出来ない。すごく勉強になりました。今思えば、父は自分にこういう社会勉強をさせたかったのでしょうね。

実家の仕事を本格的にするようになった当初は、父の手伝いをしているような感覚でしかありませんでしたが、周りの仲間たちが経営者としてメインで頑張っている姿を見て、自分もそうならなければと思うようになりなりました。

Question.2

生き物を扱う仕事でこだわり、意識してる部分は?

小さいうちから牛を育てていくということと、食べさせる餌ですね。 良い牛を育てることで長く働いてくれる、俗に言う『長命連産』ができるようになります。一頭の牛で産子数が増えるとやはり嬉しいです。大きなところでは頻繁に牛を購入したりもするんですが、うちではほとんど購入することなく自家連産で育てています。 餌へのこだわりとしては、2017年から3件の農家と共同で、サイレージというえさを作り、それまでのロールから切り替えました。そうすることで購入飼料を少なくし、コストを抑えて質のいい草を食べさせ乳を絞ることができます。牛でも餌でも、どんどん買ってどんどん回転させることは難しいですからね。今のやり方がうちの牧場にあっているやり方なんだと思います。

一次産業が人手不足な中、長く仕事をしていくことを見据えて搾乳ロボットを導入することにしました。効率化されてできた時間で牛の状態を今まで以上に注意深く見ることができるようになります。体力的には楽になりますが、ロボットを導入したことによる作業量の差はそんなに大きなものではないんですよね。

Question.3

ご自身が経営者となって感じることはありますか?

経営委譲される前から、中身のことは大体分かっていましたので、それほど気負いというものはありませんでしたが、やはり責任はすごく感じています。生き物相手の仕事ですから、手を加えれば加えただけ成果となって返ってきます。それが面白いんですよね。ただ、それは自分だけの力ではなく、周りの仲間たちがいたからこそ、なんです。仲間がいるから頑張れる。本当にそう思います。

同年代の経営者仲間が多いので、すごく刺激を受けてます。この仲間たちがいなかったら、今どうなっていたかは分からないです。この強固な繋がりは、おそらく他のどの地域にも負けないと自信を持って言えますね。